作品ポリシー

自社制作DVDの販売にあたって

メディアジャパン代表取締役  宮崎敬士

私はテレビ業界に身を投じて20年あまりになります。その間、ずっと番組制作に関わってきました。


私たちの仕事は、すごい時間をかけて作ったものが、一回放送されて終わり、という線香花火みたいな仕事です。しかし、その凝縮された時間に、喜怒哀楽が集約されていて、ものスゴイ楽しい仕事でもあります。

放送するごとに快感が走る、番組制作は麻薬みたいなもの。
制作者は皆、その快感に酔いしれているのです。

 

しかし、いつも残念に思うのです。
一回だけではなく何度も放送できたら、どれだけ楽しいだろう。
放送で使わなかったVTRを使って、もっと掘り下げた番組を作ったら、どんな番組ができるのだろう。
私たちの番組を作る能力をもっと他に活用できないか。

 

そんな思いを形にしたのが、弊社の自社制作DVDシリーズです。

 

しかし、一方で悩みました。テレビ番組はタダです。では、映像を売ることとは何か。
いろんな方々に聞きました。「お金を払ってでも見たい番組はありますか」。
多くの方は首をひねり考え込みます。そして、ほとんどの方はこういいます。
「あまりないなぁ」と。

 

ここで一つの答えが出ました。私は、お金を払う価値がないものをずっと作ってきたのだと。

 

私は映像のプロフェッショナルと自負しています。
プロというのは、自分の仕事をお金に変えられる能力のことと私は考えています。
テレビ局から制作費をいただいていますから、ある意味プロなのでしょう。しかし、一般の方からの評価は、お金を払う価値がないといわれたのですから、プロとは呼べないのだと思います。

 

そこで、新たなプロデビューの場が、自社制作DVD販売なのです。

 

さらに、売れる映像とは何か、考えました。
結論から言います、困っていることを解決できる映像が売れる映像だと私は考えました。
分かりにくいものを、分かりやすくすることが映像の特徴だからです。
さらに、集団で一緒に見られるという特性があります。

 

しかし、それだけでは魅力的ではありません。
弊社のDVDをよりいっそう際立たせることとはなにか。
それは、世の中にない映像を作ること、と思いたちました。

 

この3つの特徴を生かした映像制作をすれば、売れるはずです。

 

取材活動や身近な情報から制作したゲンバシリーズ。
日本の文化を海外へ伝えるメイクジャパンシリーズ。
弊社では、100タイトルの制作を目標にしています。

 

弊社は二十人たらずの小さな会社です。
しかし、社員の知恵と努力、多くの関係者の皆さんのおかげで、ようやくメーカーとしての第一歩を踏み出すことが出来ました。皆さん、ありがとうございました。

 

私たちの商品が世の中にどう受け入れられるのか、全くの未知数です。
しかし、2011年の地上デジタル放送を控え番組制作業界は、大きな曲がり角にきています。
弊社の試みは業界全体でみれば微々たるものですが、キラッと輝く一点な存在でありたいと思っています。

 

 

メイクジャパンシリーズはなぜ生まれたのか

なぜ、アメリカを筆頭に世界にむけて日本の文化を伝えるDVDの制作に取り掛かったのか。

 

きっかけは、とある寿司店のオーナーの話から始まります。
北海道で寿司の握り方教室を開くと、オーストラリア人がいっぱい参加する、という話を聞きました。

そうか、今、海外は寿司人気だから・・・と漠然と思っていました。

テレビを観ていたら、世界で日本食ブームが起きていて、まがいモノも多いので日本の農水省が認定制度を導入・・・と。そういえば、ヨーロッパでは、間違った漢字の看板を掲げたいいかげんな日本食レストランが多かったなぁと。

 

そこで、正しい寿司の知識と寿司の握り方を映像にしたら売れるのではないか、と考えたのです。

 

しかし、アメリカなど海外に販路など全く持っていないので、どうしたものかと悩んでいたところに、知り合いの会社から紹介されたのがエクシディアの森川社長でした。

 

エクシディアは日本の良いものをアメリカで売るというサンフランシスコに本社を置く会社。

森川社長に「寿司の作り方のDVDを作ったら、アメリカで売れませんか?」と相談したところ
「それは、絶対売れる」とお墨付きをいただいた。

「一度、実際に現地調査をしてみたらどうでしょう」と誘っていただいたので、
一路、サンフランシスコへ。

 

確かに、日本食のレストランは多い。特に寿司店。
何でも全米に1万店以上あるという。しかし、日本人が経営している本物の寿司店は1割程度だというのだ。

スーパーに行けば、普通に寿司は売られているし、寿司関連の食材も豊富である。材料は揃っている。道具店にいけば、寿司の道具も売られている。

そうか、作り方がそもそもわかっていないのではないか、と思ったのである。

 

そこが寿司の作り方DVDのポイントと思ったのであった。

サンフランシスコで日本人が経営する寿司店に入った。
お客さんは、日本人とアメリカ人が半々という構成だった。
店主と話したところ、アメリカ人は寿司にかなり興味をもっていて、
よく握り方を教えて欲しいといわれるとのこと。

 

 

私たちは寿司というのは、職人が修行をして体得した技術と認識しているので、寿司職人とは、おそれ多い存在である。

しかし、アメリカ人には寿司職人=修行という概念がなく、簡単にできるものと思っているようだ。

話を聞くにつれ、寿司の作り方DVDは売れると確証した瞬間であった。


後日、森川社長より忠告があった。「日本のモノをそのまま持ってきても売れません。
日本のフジヤマ・ゲイシャ・デザインでは、もう古いですからダメです」と。

 

そこで、このシリーズにはアメリカ人デザイナーを起用した。
そのデザイナーから3案イメージが送られてきた。

一堂考えました。これのどれがよいのか・・・。
そのデザイナーから見た日本のイメージがこのジャケットなのである。

 

森川さんの意見を聞いたら、私たちが一番ありえないと思っていたジャケットをさした。アメリカ人には、日本は忍者のイメージで、ミステリアスなイメージなのだという。

 

かくして、メイクジャパンシリーズは産声を上げ始めたのであった。

 

2008年2月 サンフランシスコ・インターナショナルギフトショーに出展

「寿司の握り方」「グリーンティーの淹れ方」「キモノ(ゆかた)の着方」「折り紙の折り方」の4タイトルの制作を決定。

 

パイロット版(デモ版ともいいます)を制作して、サンフランシスコに乗り込んだ。

 

多くのバイヤーさんの意見も聞け、DVDはおおむね好評。
結構、受注もいただけるという幸先の良い滑り出しであった。

 

2008年5月 ラスベガス・ティーエキスポ

全米のグリーンティー関係のバイヤーが集まる展示会に
「グリーンティーの淹れ方DVD」を出展。お伊勢参り本舗さんとの共同出展となった。

 

伊藤園さんなど大手も出展するこの展示会、日本からの参加企業は予想以上に多かった。

 

全米に100店舗のグリーンティーのチェーン店、ティーバナのオーナーも顔を出してくれ、DVDに興味を持ってくださったのはうれしい。

 

さらにうれしかったのは、DVDが日本のお茶メーカーに好評だったこと。皆さん、日本茶の入れ方の説明に結構苦労しているのだという。


やはりそうか、目論見どおりであった。

 

次回のアメリカの展示会は8月のニューヨークである。
アメリカ以外では、オーストラリアで同じく8月。どうなるか、楽しみだ。

 

 

寿司の作り方DVDの制作背景について

サンフランシスコでの市場調査後、日本に帰ってから、スタッフとDVDの内容について議論した。実はここからがイバラの道で大変だったのであるが、手前味噌な話になるので省略します。

 

結果、構成内容の大筋が出来た。大方3つの内容である。

 

① 外国人が日本の寿司店に入っても困らないように、
  マナーから注文の仕方と寿司の食べ方の方法


② ネタの名前など寿司用語と寿司の歴史の解説


③ シャリの作り方と、握り方、アメリカではロール寿司が人気なので、
  ロール寿司の作り方(ロール寿司はアメリカで撮影)

 

日本の寿司店パートには、アメリカ大統領の前で寿司を握る千葉のさかえ寿司のオーナー風戸さん、三重県津市のオウ寿司さんに撮影の協力を依頼。

 

アメリの寿司パートでは、サンフランシスコの人気店「サンリツ」の福田さんと「寿司蘭」に協力を依頼した。

 

演出はフリーのディレクターの山田さんと、弊社の荒川が奮闘して仕上げてくれました。
制作の全体管理は私、宮崎です。

 

日本とアメリカの撮影ということで、予想以上の制作費が掛かったのであるが、世の中にないものを作るのだから、仕方ない。予想以上の出費は、予想以上売ればよいのだ。

 

寿司の作り方DVDは、このシリーズのフラッグシップなので、できる限りの手間をかけたのである。

 

 

 

 

 

 

 

グリーンティーの淹れ方DVDの制作背景について

あまり知られていないのですが、アメリカではグリーンティーが人気です。
健康に気を使ってのことだと思われます。
寿司を筆頭にした日本食ブームも理由は同じです。

 

しかし、アメリカのペットボトルのグリーンティーには、たいてい砂糖が入っている。
せっかく、身体によい成分が入っているのに、砂糖が入っていては半減である。
私たち、日本人には正直厳しい。

 

アメリカのお茶販売店に行ってみた。ティーバナという全米に100店舗のチェーンをもつ店である。

 

南部鉄の鉄瓶やお茶の容器など、ほぼ日本の製品である。しかし、売られているお茶はいわゆる香りがついたフレーバーティーであった。

 

しかも、試飲コーナーは砂糖が入ったお茶。
さらに人によっては、ハチミツを入れるのだという。

 

ここでは、中国茶も日本茶もインドの紅茶もすべてお茶というカテゴリーでくくられている。
アメリカからアジアを見たときには、細かい国などあまり気にしないのであろう。
私たちは、茶畑を目にすることがあるのだけれども、アメリカ人は茶畑なんてみたことがないのである。
だから、細かいことを言ってもイメージできないのは、仕方ないことかと思う。

 

次に、お茶が飲める店に行った。
ピート&コーヒーというチェーン店である。

 

メニューに、煎茶や玄米茶がある。
注文すると出てきたのは、でろーんとしたティーパックと大量に詰められた茶葉であった。

 

 

味は当然、旨くない。濃いだけでお茶の旨みがでていないのだ。

 

原因は二つ考えられた。
一つは、大量にティーパックに詰められているため、茶葉が開かないのと、濃いこと。
二つ目は、水が硬水なため、旨みが出にくいこと、であった。

 

そこでなぜ、お茶が砂糖入りなのか考えた。
水が硬水なのと、淹れ方が分からないためお茶が本来の旨さになっていない、ので砂糖を入れてしまうのではないかという仮説がたった。

 

アメリカ人も寿司店では、砂糖なしのお茶を飲んでいる。
ということは、やはり淹れ方がちゃんとしていれば、砂糖無しでも飲んでくれるのである。

 

グリーティーの淹れ方DVDが売れると思った瞬間であった。